シークエンスとトリートメント

ビートをいくつか束ねた塊をシークエンスと呼び、そのシークエンスを並べて読む層がトリートメントです。トリートメントほど現場で意味が揺れる言葉も少なく——ある場では長い筋書きを、別の場では場面ごとの要約を指します——このノートでは言葉を裁定する代わりに、シークエンスとは何か、それが読まれるには何を備えるべきかから見ていきます。

シークエンスとは何か

長編一本は数十のビートでできています。それを一つずつ読んでいくと物語が見えなくなります。木ばかりが見えて森が見えない場所です。

そこでビートをいくつかずつ束ね、ひと塊として読みます。おおよそ二つで一つの塊になります。この塊一つが一つの問いに答え、これをシークエンスと呼びます。

いくつに分けるかは決まっていません。選んだ構造がビートをどこに置いたかと、書き手が選んだシークエンス数(少なめ・ふつう・多め)から決まります。多くは6個から10個のあいだになり、ふつうにすればどの構造でも8個です。

その結果がトリートメントだ

シークエンスを並べて読む層がトリートメントです。あらすじでは遠すぎ、脚本では近すぎるとき、物語が実際にどう動くのかを見られる場所がここです。

大切なのは、この層が別につくられるのではないという点です。書き手が手を入れるのはビートで、塊はそこから導かれます。塊の切れ目は必ずビートの切れ目と重なります。塊の収まりをよくするためにビートを割ることはしません。原本はつねにプロットです。

プロットポイント15 — 作者が書く場所 2 4 5 6 7 8 10 11 12 13 14 シークエンス8 — 一つの問いでまとまる塊 シークエンス 1 シークエンス 2 シークエンス 3 シークエンス 4 シークエンス 5 シークエンス 6 シークエンス 7 シークエンス 8 シーン100 — ここから脚本になる

上から下へ読みます。作者が書くのは一番上のプロットポイントで、シークエンスはそれをいくつかまとめたもの、縦線がまとまりの切れ目です。まとまりはプロットポイントの切れ目でしか分かれません——プロットポイントを割って塊を作ることはありません。その下にシーンが入ります。長編はシーンが百ほどあり長さも様々なので、層が下がるほど細かく分かれます。図は「Save the Cat 15」を密度「普通」に置いた実際の導出結果で、マスの幅はそこに書く分量です。シーンの数と長さは均等に散らした例です。

あらすじ・脚本と何が違うのか

層答える問い読む単位
あらすじこの物語は何についてのものか作品全体
プロットどこで向きが変わるかビート一つ
トリートメントこの一続きが何を問い、何を払うかビートの束
シーンリスト・脚本その場で誰が何をするか場面一つ

よくある混同は、トリートメントを「短い脚本」と見ることです。そうすると場面の要約が連なるだけで塊ができません。トリートメントが脚本と違うのは長さではなく単位です。場面ではなく束を見ます。

ひと塊が備えるべきもの

塊が役目を果たすには、三つが必要です。

蓄積で進む物語では二つめが変わります。時間変奏のように大きな出来事なしに積み重なりで進む構造では、何を失ったかではなく何が積もったかを問います。同じ枠に別の物差しを当てるわけです。

三つのうち最も崩れやすいのは一つめです。問いの席に出来事の要約が座り込むからです。「彼は会社を辞める」は要約であって問いではありません。要約が入り込むと、その塊は向きを失います。

Movie Kick では

Movie Kick でこの層は、プロット段階のトリートメントタブにあります。ビートを立てると塊が自動的に導かれ、それぞれの問いと失うものが一緒に提案されます。ビートを直せば塊も追随します — 二つの層が別々の物語を持たないようにするためです。

ここで書いた散文は、のちにシーンリストをつくるときその一続きの土台として引き継がれます。トリートメントを飛ばして場面から書くと、一つ一つはよくできているのに束ねて読むとどこへ向かうのか分からない原稿になりがちです。

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